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(Vol.83・24年2月1日版)
2012/2/1
Vol.83 紅白歌合戦
 昨年の大晦日は、昨年起きた東北大震災のためか、毎年見ていた格闘技よりも“日本の歌”を聞きたい心境になった。大好きなニッカウイスキー竹鶴21年を片手に、久々に紅白歌合戦をじっくりと鑑賞した。昔は紅白歌合戦が始まると、一家全員で炬燵を囲んで見たものだ。

 久しぶりとあってか、番組前半は知らない曲が多かった。音程が悪い歌手、鼻濁音で発声できない歌手、歌詞が聞き取れない歌手、「これがハヤリの曲とプロの歌手なのか??」と度々疑問が湧いた。どの曲も素直に反応して口ずさめない。若者が歌う曲の抑揚に「なぜ?」を感じた。番組後半になって、やっと落ち着いて聞けるようになってきた。そう思ったのは世代のせいだろうか?それとも、私だけだろうか?それにしてもプロの歌手として、日々の発声練習を怠っている人の何と多いことか。このレベルならアマチュアにもっと上手い人がいる。

 そんな中、印象に残ったのは被災地福島出身の西田敏行の「あの街に生まれて」。彼は涙を流すことなく淡々と歌い上げた。そこに彼の心の奥底にある望郷の想い、これから被災地の方々と一緒に立ち上がって行こうとする深い決意を感じ、思わず瞼が熱くなった。長淵剛の歌った「ひとつ」も心響いた。震災後、彼は東北を回って活動している。テレビでその様子が流れ、被災地で地道な活動を続ける自衛隊に向けて応援歌を歌っていた。その姿と重なり、生きている言葉と音楽に心震えた。大震災後に慰問にきたレディ・ガガも素晴らしかった。全てを解き放ったパワー、躍動感、心と体からくる訴求力。ファンを大切にし、親日家としても知られている彼女。エンターティナーとして奇抜なファッションに身を包みながらも、そこには愛、優しさがある。だから世界中が彼女に熱狂するのだろう。

 また、今は亡き歌謡界の女王の偉大さに思いを馳せたりもした。美空ひばりの名曲「愛燦燦」を演歌歌手Tが歌った。声は一見似ているように思えたが、目を閉じて聞いてみるとその違いは一目瞭然だった。情感、所作、受ける波動が違うのだ。私が大好きな美空ひばりが歩んだ人生感、身体意識はそう簡単に真似できないのだと思った。そして番組は大トリのSMAPの歌で盛り上がり、フィナーレを迎えた。今回の紅白歌合戦を鑑賞し、今、日本にいる人々の心をもっと深く結びつける「日本の歌」が必要だ、と思った。

 それから暫くして「ゆく年くる年」の除夜の鐘と共に日本の大晦日の姿が映し出された。いつもながら日本の年越しの景色は美しく、心洗われる。色々な事があった昨年だった。今年はいい年になりますように、と静かに念じた。
Vol.84 腸内菌同士は常に会話しているへつづく・・・)
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